入学金一括払いと老後資金

大学進学を控えた年齢のお子さんをお持ちの親御さん方には、世間でいう「働き盛り」の年代の方が多いのではないでしょうか。仕事も脂がのり、収入もピークに差し掛かっている時期といえるかもしれません。かわいい子どものために大学進学時用に蓄えているある程度まとまった資金もあることでしょう。教育ローンに頼らないためにコツコツ貯めてきたのでしょうから、なんのためらいもなく使ってしまうかもしれません。しかし、その前にある問題について検討する必要があります。それは、今、世間を騒がせている「年金問題」です。年金がもらえるかどうかという問題以前に管理体制が危ぶまれているこのご時勢です。また、会社のために身を粉にして働いても、退職金は減少傾向にあります。

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自分たちが老後を迎えるときに今より信頼できる国や会社になっていて欲しいという希望はあるものの、あまり楽観的には考えられません。そうなると老後の資金はある程度自分たちで確保しなければなりません。その為の覚悟と準備が必要になってきます。大金である大学資金を現金で支払ってしまえば、親としての役目を果たした達成感はあるでしょう。しかし、現金は残りません。現金で準備できるのだから教育ローンには頼らないのも当然の考え方と言えるかもしれませんが、この時期にしか使えない超低金利の教育ローンです。万が一、老後に資金不足になってお金を借りることになっても、低金利の「老後ローン」は存在しません。そのような理由から教育ローンという手段を使って現金を手元に残しておくことも一考の価値が有るのではないでしょうか?お子様の進学を機会に家族の将来計画を今一度話し合わってもよいのではないでしょうか。

教育ローン どんな人が利用しているの?

見事大学に合格した我が子。しかし、進学費用が家計ではまかなうことができず、教育ローンを利用。。。ある程度予想できたにもかかわらず、あらかじめ教育費を準備できなかった私達夫婦って、親としてどうなの・・・?現実にはどういった方が教育ローンを利用しているのかを調べたデータがありますので、少し御紹介してみたいと思います。国民生活金融公庫が調べたデータなので、いわゆる「国の教育ローン」を利用している方のデータです。もっとも利用している方の多い教育ローンが、国の教育ローンと思われますので、教育ローン利用者の現状を把握するには確かなデータだといえます。この調査結果で得られたデータをみると、最も一般的な教育ローン利用者は以下のようになります。・子どもが2人で両親を含めた4人家族。

・一家の大黒柱であり、収入額の一番多い父親が50歳。・母親のパート代も含めて、世帯の年収は約650万円。・教育ローンは子どもが大学に進学するため利用。いかがでしょうか?このお父さんの歳から考えて極めて平均的な年収、極めて一般的な家族構成、極々普通の10000件以上のご家庭で利用されているのです。また、教育ローンを利用しても、教育費は家計で充分まかないきれているかといえば、そうではないようです。家族旅行を控えてみたり、外食や衣類の購入を極力やめるようにして何とか教育費を捻出している家庭が6割以上もあるのです。お子さん自身にもアルバイトをしてもらって、教育費をまかなっている家庭も半数近くにのぼります。教育費を捻出するということは、どこの家庭でもとても負担が大きいもので、教育ローンを利用したりすることで切り抜けているのが、今の日本の一般的な姿のようです。

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